環境保護
生物多様性の保全及び持続可能な利用
~豊かな自然共生社会の実現に向けて~
ならコープと持続可能な開発目標(SDGs)の取り組み
①組合員のつどいにおいて「『誰もがいつまでも笑顔でくらせる社会を目指して』~ならコープとSDGs(Sustainable Development Goals)~」と題して、ならコープの取り組みとSDGsとの関係についてみんなで学ぶ機会をつくり、4,452人の参加がありました。SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」のなかから「エシカル消費」について取り上げ、産直商品の利用を呼びかけました。参加した組合員からは「一人ひとりが実践することで大きな力になることがわかりました。」「今まで何気なく安い商品だけを購入してきましたが、これからは商品選びを意識してやって行きたいです。」などの声が寄せられました。コープ七条、コープ朱雀では『SDGsスタンプラリー』と題し、お買い物をしながら生産者のこと環境のこと、児童労働のことなどSDGsについて考える取り組みを行いました。職員と組合員との会話もはずみ楽しく理解が深まりました。
組合員のつどい
コープ七条SDGsスタンプラリー
②豊かな地域を作る取り組みでは、地元食材を利用することで地域を元気にする取り組みをすすめました。「食べる"なら"大和」を地産地消産品のブランドとして、JAならけんとならコープが一緒に取り組む県内農産物や、県内農産物を主原料とした加工食品を案内し、9億5,000万円を供給、地域経済に貢献しました。また、2018年度からは㈱ハートフルコープよしのが製造する「奈良 桜よしの天然水8Lボトル」1点利用に付き1円を積み立て、奈良県環境県民フォーラムに寄付することで活動を支援し、奈良県の環境保全につなげています。2018年度分として、35,874円(2017年度は米粉入り食パンの利用点数による寄付36,570円)を寄付しました。
③2016年度5月に設立された子会社㈱ハートフルコープよしのは、農産集荷事業をはじめ、天然の湧き水を使用した宅配水事業(奈良 桜よしの天然水)や水耕栽培(フリルレタス)を供給しています。2018年度は夏期の熱暑、大雨、台風など気象条件が安定しない中、安定価格で供給するフリルレタスは組合員の家計応援に貢献することが出来ました。この事業は、障がい者総合支援法に基づく就労機会を提供する施設として運営し、障がい者の雇用につながっています。
④地球環境を守り続ける取り組みでは、森や海の資源、生態系に配慮した原料で商品作りをおこなうFSC認証、MSC認証マークのついた商品の案内をすすめました。2018年度はCO・OPの代表的な洗剤であるセフターシリーズの供給点数 1点につき0.5円を「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」に46,517円(3月31日時点実績(集計期間2018年5月4回~2019年5月4回までの期間の利用点数を寄付する))の寄付額を積み立てることが出来ました。RSPOについては2019年2月にWWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)職員を講師に招き、組合員と職員が労働者、現地商社、製造メーカー、消費者のそれぞれの立場にたって考え発言するワークショップを行いました。持続可能なパーム油産業への転換には商品を選んで購入する消費者の役割も重要であるという気づきを生む学習会となりました。
安心してくらせる地域づくり
①「アースデー2018 in なら」
今年で29回目の開催となるアースデーは「一人ひとりの小さなエコ つながれ みんなの大きなエコ」をテーマに、3,500人以上の組合員が参加しました。生駒市西畑町菜の花まつり会場では、生駒市西畑町自治会、いこま棚田クラブ、ならコープ組合員など約230人の参加がありました。
アースデー2018 in なら
菜の花ウォーキング
②菜の花エコプロジェクト
「菜の花クラブ」による菜の花栽培(2017年10月~2018年6月)は、西畑町で22家族77人(前年20家族62人)の登録があり、菜の花の手入れなどを6回実施し延べ233人が参加しました。菜種の収穫量は、約19kg(全年約33.5kg)となりました。また、各店舗でのボランティアによる使用済み天ぷら油回収活動は、延べ1,291人(前年1,712人)の参加があり、約3,598L(前年4,142L)回収し、回収した使用済みてんぷら油はBDF燃料に精製し、配達トラックの燃料として活用しました。一方で高齢化による使用済み天ぷら油回収ボランティアの担い手不足により、店舗での回収を休止するなど活動継続に課題を残しています。
菜の花クラブ
使用済み天ぷら油回収量
全体実績(リットル) | 前年比 | 組合員回収量(リットル) | 前年比 | 組合員人数 | 前年比 | |
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2013年度 | 22,681 | 105.60% | 4,563 | 98.80% | 1,960 | 103.30% |
2014年度 | 24,205 | 106.70% | 4,778 | 104.70% | 1,937 | 98.80% |
2015年度 | 25,492 | 105.32% | 4,318 | 90.37% | 1,985 | 102.48% |
2016年度 | 26,986 | 105.86% | 4,340 | 100.51% | 1,903 | 95.87% |
2017年度 | 34,693 | 128.56% | 4,142 | 95.44% | 1,712 | 89.96% |
2018年度 | 35,567 | 102.52% | 3,598 | 86.87% | 1,291 | 75.41% |
③環境測定活動
27年目を迎える環境測定活動には、307人(前年279人)の組合員が県内各地で、酸性雨、河川(COD:化学的酸素要求量)、大気(NO2:二酸化窒素)の測定に参加しました。
④環境保全活動団体への助成
2005年度からレジ袋代金の一部を環境保全活動に取り組む団体への助成金として活用してきました。2018年度は24団体に計95.2万円を助成し、14年間で260団体、累計助成金額は1,194.4万円となりました。2月には環境保全活動助成団体交流会を開催し、京都市ゴミ減量推進会議事務局 堀 孝弘 氏を講師に招き、マイクロプラスチック問題について学習会を開催、また他の環境保全活動助成団体とも交流を深めました。
環境保全活動助成団体交流会
マイクロプラスチック問題学習会
⑤吉野共生プロジェクトの推進
「吉野の森と水を守る」ための取り組みとして、奈良県森林組合連合会、JAならけん、ならコープが連携し、里山を再生する活動をおこなっています。ならコープであつかう「奈良県産ひのひかり」のご利用1kgにつき1円をJAならけんとともに「吉野の森と水を守るための募金」として植樹や環境保全活動の費用に充てています。2018年度は、東吉野水力発電㈱が運営する小水力発電所である つくばね発電所(東吉野村)の敷地内 に組合員、役職員他35人が参加し、カエデ、イロハモミジ、山桜 計33本を植樹しました。
吉野の森と水を守るための募金による植樹活動
(東吉野村 水本村長と中野理事長)
⑥未来の風景づくりの取り組み
9月に川上村白屋地区において、水源地の村「未来への風景づくり」生態系学習会を開催、11月には、川上村の村民の方々と地元の企業がふれあう機会として旧白屋地区で第4回「ふれあいまつり」を開催しました。
⑦絆の森整備事業(黒滝村)
スギ、ヒノキの除間伐で日当たりを改善、防虫対策のため伐採後の樹木の皮を剥ぐなど、森林の保護や里山の保全を目的として3回の活動を実施しました。11月には、整備している山林で檜、杉、ひいらぎ、そよご、うつぎ、ひかげのかずら、どんぐりなどを採取し、採取した材料でリースづくりを楽しみました。組合員の森林環境学習、林業体験の場となっています。
⑧自然災害発生時対応
2018年度は、例年にも増して多くの自然災害が発生した年度となりました。これらの自然災害の中で、大阪北部地震、台風12号、台風20号、台風21号、台風24号発生時には、専務理事を責任者とする対策本部を設置し、情報収集、指示の一本化など、必要な対策を講じることができました。店舗の営業時間は、台風12号、20号、24号接近時には閉店時間を早め、ご来店の組合員ならびに職員の安全確保に努めました。自然災害における無店舗事業での事業影響は、供給高で約8,900万円となりました。また、災害時における物資供給等に関する協定に基づき、要請のあった橿原市(2回)、広陵町に物資を提供しました。
自然災害発生時の対応や北海道胆振東部地震発生による停電等大規模災害のリスクに対して教訓化、備えの補強をしていく必要があります。直面した自然災害の発生により、改めて、水と電気の確保の重要性を確認しました。「瞬電・停電(自家発含めた)の対応」、「電気自動車活用法(何に、どのように使うのか 業務の中での優先順位)」、「電気自動車から電源を確保する方法(訓練)」、「自治体との災害時における物資協定の整理(届けるものと条件など)」、これらを含めたクライシス対応時の体制を整理していく必要があります。