関連情報


輸入食品についての取り扱い条件と留意点


取り扱い条件

  1. 日本国内で生産されていない原料や商品、国内産では量がまかないきれない原料、国内のそれと比べ経済性が追求できるもの、気候風土によって生産時期が日本国内と異なる品種、原料とします。
  2. 輸入食品、国産食品に関係なく、提供する食品全体に安全確保に取り組みます。
  3. 将来的に日本国内における生産量の不足が懸念される食品は、先行的に取扱いを開始出来るものとします。
  4. 生産地及び加工工場に関して、日本生協連や取引先での現地確認が行われていることを基本とします。
  5. 取扱い予定原料及び製品に関して、公的機関での事前検査が実施され、日本国内での流通が可能であることを基本とします。

留意点

  1. 輸入食品の生産・加工時全てにおいて開発主体が立ち会うことは困難です。その為、事業連合をはじめ、日本生協連、取引先に対して定期的な産地、加工工場の訪問を依頼すると共に、訪問後の報告を求めることとします。
  2. 輸入食品取扱い開始後において、事業連合をはじめ、日本生協連、取引先に対して残留農薬検査、残留抗生物質検査、食品添加物検査、細菌検査など製品の特性に応じて定期的な検査を求めるとともに、その結果は必要に応じて報告を行うように要請します。
  3. ならコープにおいても、供給頻度・供給量・こだわり商品などに関して製品特性を判断し、商品部門と品質保証部門が連動して検査を行うこととします。
  4. 海外での生産、製造、流通の状況に関して、組合員への情報提供を行うことを基本に、その方法についての研究を進めていきます。
  5. 取り扱いが開始された後、不良品混入や検査結果に関する不適合が生じた場合、取引先に対して原因と対策を求めるとともに取り扱いを休止もしくは中止することとします。
  6. 一般的に輸入されている食品において検査結果など不適合が生じ、ならコープでも同種の食品を取り扱っている場合には、取引先に対して検査結果の提出を求めるもしくは検査を要請することとします。
  7. 国や地方自治体に対して、検疫・検査体制および監視体制の強化ならびに食料自給率向上のための施策見直しを求めることとします。

【資料】

基本認識

2008年の中国天洋食品製造餃子における薬物中毒事件発生に伴い、中国加工品をはじめ輸入食品に対する安全性への不安が増大しました。また2014年の中国食肉加工会社「上海福喜食品」の使用期限切れ鶏肉を使用したチキンナゲットの販売などで、さらに消費者の間に中国加工品に対する安全性への不信感が広がりました。
一方、国における輸入食品監視体制は、輸入量と比較して、まだ十分とは言えない状況にありますが、日本の2012年カロリーベースでの食料自給率は39%(奈良県内14%)であり、現在の日本の食生活が輸入食品を抜きにしては成り立たない状況であることを認識する必要があります。
また1995年に57億人だった世界の人口は、2012年には71億人に増加し、2050年には発展途上国を中心に96億人に増加することが予測されていますが、現在でも世界の8人に1人が栄養不足といわれる状況であり、さらに食料不足が深刻化することが懸念されています。このような中で、日本は、2012年の1年間で3,200万トンを超える食品を輸入する一方で、まだ食べられる食品を500〜800万トン廃棄し、食品を世界一ムダにしている国といわれています。

  1. 国産主要野菜の作付面積は、1995年に一時回復しましたが、その後も年々減少を続けており、2010年には495,600haと1995年対比で84.3%に減少しています。(図@)

    また国産主要野菜の収穫量、出荷量も作付面積に比例して減少を続けており、2010年は収穫量13,365千t(1995年対比79.0%)、出荷量11,129千t(同82.1%)となっています。(図A)

    (農林水産省「野菜生産出荷統計」より)
  2. 農業を主な仕事としている全国の基幹的農業従事者数は、1985年3,464千人でしたが、1990年には3,000千人を下回り、2010年には2,051千人まで減少しています。
    また基幹的農業従事者のうち65歳以上が占める割合は、年々増加しており、1985年には19.5%でしたが、2000年には50%を超え、2010年には61.1%まで上昇しています。(図B)

    (農林水産省「農林業センサス」より)
  3. 冷凍野菜の輸入量は、野菜の作況の影響などを受けますが、長期的には増加しています。2005年786,507tだった輸入量は、2012年には952,041tと121.0%としています。
    輸入国別では、2009年を除き中国が1位となっています。また中国、アメリカの2ヵ国で2012年冷凍野菜輸入量全体の約8割を占めています。(図C)

    (財務省「貿易統計」)
  4. 調理冷凍食品の輸入量は、年々増加傾向でしたが、餃子薬物中毒事件の影響で中国からの輸入が激減したため、2008年は大幅に減少(前年対比72.6%)、翌2009年はさらに減少しました。
    しかし2010年には中国からの輸入量も含め、全体の輸入量も増加に転じました。
    輸入国別では、一貫して中国が1位で2012年では全体の6割を占めています。(図D)

    (日本冷凍食品協会「統計データ」)
  5. 2012年の輸入食品の届出は、2,181,495件で、検査件数223,380(検査率10.24%)、違反件数1,053(違反率0.47%)となっています。
    輸入国別の違反率は、上位5ヵ国の中で、アメリカが0.81%と最も高く、タイの0.71%、中国の0.47%となっています。
    違反量では、アメリカが86,830tと最も多く、次いで中国の1,549tです。
    E生産・製造国別の届出・検査・違反状況
    合計 中国 アメリカ フランス タイ 韓国
    輸入件数 2,181,495 650,431 234,245 210,978 155,770 146,982
    検査件数 223,380 98,424 23,572 9,299 11,819 8,213
    違反件数 1,053 221 190 19 84 37
    検査率 10.24% 15.13% 10.06% 4.41% 7.59% 5.59%
    違反率 0.47% 0.22% 0.81% 0.20% 0.71% 0.45%
    輸入量 t 32,155,854 4,070,058 10,947,577 437,854 1,487,592 829,995
    検査量 t 6,005,747 919,501 3,912,024 15,129 195,669 25,744
    違反量 t 94,477 1,549 86,830 4 801 26
    (厚生労働省「輸入食品監視統計」)
    *検査率=検査件数/輸入件数
    *違反率=違反件数/検査件数

以上



[ Back]

Copyright (C) NARA COOP All Right Reserved.
line