東日本大震災から8年、昨年は全国各地で自然災害が多発しました。「災害は他人事ではない」ことから、一人ひとりが「自分ごと」として日頃から防災・減災について考え、行動できるようにと、3月16日(土)奈良ロイヤルホテルで、「防災フェスタ2019~被災地を忘れない~」を開催。約60が参加しました。講演は「もしも災害がおこったら?」をテーマに、(社福)大阪府社会福祉協議会 大阪府ボランティア・市民活動センター主任の長三紘平(ながみ こうへい)氏を講師にお話いただきました。

 

「防災フェスタ2019~被災地を忘れない~」を開催しました (社福)大阪府社会福祉協議会 長三紘平氏
「防災フェスタ2019~被災地を忘れない~」を開催しました

被災者に寄り添う心と協働の力の大切さ
 各市町村にある社会福祉協議会は、地域住民の「普段のくらしの幸せ」を願って活動する非営利の民間団体であり、災害が起こった時には災害ボランティアセンターの立ち上げを担います。長三氏は、大阪府北部地震における災害ボランティアセンターの取り組みや役割を説明。そこからボランティア活動で大切なことは、被災者に寄り添い、現地のニーズに合った活動「被災者中心」と普段からの顔が見えるネットワークを生かした「地元主体」、そして「協働」の力。これらを災害支援の3原則として、普段から地域のネットワークを広げることであると述べられました。そして、ボランティアをする人が心に留めておいてほしいことは、「被災者にとっては『被災地』ではなく『生まれ育ったふるさと』、『がれき』ではなく『帰るべき我が家と生活を支えた思い出の詰まったもの』であることです」と呼びかけられました。

震災後の取り組みと「知って知らせる」活動報告
 続いて、ならコープの被災地支援活動や被災地・福島第一原発廃炉状況の視察、福島の子ども保養プロジェクトの報告、会場にはそれぞれの取り組みや写真も展示。「のまはら」、岩手県宮古市の「かけあしの会」、「ちょこボの会NEXT」「桜(鎮魂)の会」から、それぞれの取り組みも紹介され、東北支援商品の販売もありました。また、ならコープの災害支援活動積立金から50万円を、東日本大震災で奈良に移住され方々を支援する「のまはら(奈良県被災者の会」贈呈しました。 

「防災フェスタ2019~被災地を忘れない~」を開催しました かけあしの会
「防災フェスタ2019~被災地を忘れない~」を開催しました のまはら
「防災フェスタ2019~被災地を忘れない~」を開催しました ちょこボの会NEXT
「防災フェスタ2019~被災地を忘れない~」を開催しました 桜(鎮魂)の会

震災後、さまざまな取り組みをされている団体への支援
●かけあしの会(代表:菅原則夫氏)
 「かけあしの会」は岩手県宮古市で、同市を中心とした生産者が加工した商品を全国で販売する、復興支援会社。ならコープでは、年2回コープなんごうで販売し、組合員有志がお手伝いをしています。

●のまはら(旧・奈良県被災者の会)(代表:高橋周介氏)
 東日本大震災で、奈良に避難した人々が互助組織として活動したのが始まり。現在は、震災の経験を生かし、災害や、地域課題の改善にも取り組み、市民ボランティアの協力を受けて、県内外の被災者支援をおこなっています。事務局はならコープ恋の区の本部内にあります。
 
●NPO法人 桜ライン311(代表:岡本翔馬氏)
 岩手県陸前高田市の津波到達ライン170kmに、10mおきに桜の木を植え、後世に伝える活動を続けられています。急がず、被災地の気持ちに寄り添いながら、息の長い活動です。ならコープからは、毎年開催される植樹祭に、組合員とともに職員も参加しています。
 
●ちょこボの会NEXT
 被災地から離れた奈良の地で、「何か応援できること」として、2012年からボランティアバスの参加者が中心になって始まった活動。東北のお母さんたちが作った手作り品や、お菓子を販売し、その材料を集めて送るなどで支援しています。震災から7年、活動を見直し、2018年からは、イベントを中心に要請があれば出展しています。
 
●「桜(鎮魂)の会(代表:前田美代子氏)
 ならコープサークル「桜(鎮魂)の会」は、阪神淡路大震災から10年後に、協同福祉会「あすなら苑」の庭に植樹した「鎮魂の桜」のもと、毎年神戸から「1.17希望の灯り」を分灯し、「桜あかりの集い」を開いています。震災で亡くなられた方のご冥福を祈ると共に、2012年からは、東日本大震災で失われた命のご冥福を祈り、復興を願う場として続け、亡くなられた方々が身をもって教えてくれたことを大切に、防災・減災の必要性を伝えています。