皆さんは火曜日の朝、店頭にとれとれ新鮮「漁港直送鮮魚」が並ぶことをご存知ですか？8月8日（水）、ディアーズコープたつたがわに、その仕掛け人お二人を講師にお招きし、夏休み親子企画「手まり寿司を作ろう！」を開催しました。

 

　仕掛け人をご紹介します。お一人目は漁師の西出さん（赤い服の方）、もう一人はならコープ水産バイヤーの荒さんです。漁師の西出さんは、和歌山県広川町の唐尾漁港を拠点に、ならコープのために毎週月曜日、朝6時から夜中１時まで漁をしてくださっています。漁法は沿岸底引き網といって、網を船から投げて魚を捕ります。和歌山県沿岸南北150ｋｍの海を漁場に、魚を捕っています。ならコープはその魚をまるごと1船買いしています。通常の仕入れでは、市場や仲卸業者の手数料が発生し、日にちもかかってしまいます。しかし「漁港直送鮮魚」の場合、バイヤー荒さんが毎週月曜の夜中に唐尾漁港に駆けつけ、直接漁師の西出さんから買い付けているので、手数料がかからず割安なのです。
 
　まるごと1船仕入れるため、魚の種類もいろいろ、少量しかない魚や知名度の低い魚もすべて仕入れ、お店に並びます。その数なんと、100種類以上！通常のスーパーだと30種類くらいしか仕入れないので、いかにバラエティー豊かな魚が並んでいるかがわかりますね。時には同じ種類の魚が取れすぎる場合もありますが、その時は西出さんが安く譲ってくださるので、市場の半額で組合員に提供されることも！また、西出さんは仕事が丁寧（荒バイヤー大絶賛）、仕入時間直前まで船の水槽で泳がせ、素早く血抜きをして鮮度が落ちないように工夫しておられます。
 
　日々、奈良の皆さんに新鮮な魚を食べてほしいという熱い思いで漁に出てくださる西出さん。漁師さんも生活が成り立ち、組合員さんにも手ごろな値段で魚を届けたいという荒バイヤーの想い、しっかり子供たちも受け止めたと思います。
 
～子どもたちから出た質問をご紹介します～
Ｑ．朝早くから夜遅くまで漁をしていて、眠くならないですか？　
Ａ．海の上は危険でいつも気が張っているので眠くならないけれど、港に帰ってきて荒さんの顔を見たら眠くなります（笑）
 
Ｑ．船の上では何を食べていますか？
Ａ．漁には四足の動物（牛、豚）の肉は持っていかないのが漁師の風習です。コンビニのお弁当も持っていきますが、魚もさばいて食べます。
 
Ｑ．ウミガメやサメは捕れますか？
Ａ．両方網にかかったことがあります。この間はハンマーヘッドシャークが引っかかってびっくりしました。ウミガメを海に帰すときは、カメの頭にお酒をかけてから返しています。昔からの言い伝えで、和歌山の漁師さんはみんなそうしています。そのためにいつも船にお酒を積んでいます。
 
Ｑ．捕れてうれしい魚は何ですか？
Ａ．血鯛（ちだい）かな。あまり捕れない高級魚です。
 
　お話の後はお楽しみ！手まり寿司作りです。まず、荒バイヤーが子どもたちの目の前で大きな真鯛をさばきます。最初に「海から食卓に届くまで、どんな人がかかわってくれていて、お魚の命を頂いているから食べられることも、きちんと知ってね」と伝えたので、「気持ち悪ーい」や「こわーい」などの感想は皆無。魚がどんなふうにさばかれるのか、初めて見る子がほとんどでしたが、真剣なまなざしで荒バイヤーの手元を覗き込んでいます。左利きの荒さん、「ここに骨があるから、魚を食べるのが苦手な子は見においで。どんな魚も大体おなじ場所に骨があるから、真ん中の骨のところにまず箸を入れて横の骨を取るんだよ」「新鮮な魚を食べたらどんな子どもでもおいしいと言います。魚嫌いはお母さんの責任、新鮮な魚を選んでどんどん食べさせてあげてください」などと声をかけながら、慣れた手つきでみるみるさばいていきます。最後にはお見事！ペラペラの皮と身のほとんどそがれた中骨だけが残りました。

　短冊の状態からは子どもたちの出番です。各家庭ごとに短冊を配り、子どもが包丁で一口サイズに切って、手まり寿司を作ります。本日のお魚は、アジ、イカ、タイ、サバフグです。慣れない手つきながら、真剣に包丁を握り、ラップで手まり寿司をにぎにぎ、おなかいーっぱいお寿司を堪能しました。

　また、当日のサプライズで西出さんから「ガンガラ」という貝も頂きました。和歌山では一般的なのですが、奈良ではなかなか見かけない小ぶりの巻貝。シンプルにゆでて頂きましたが、さざえよりも肝が小さいのでえぐみがなく、子どもたちに大好評！こちらもあっという間に完食！今まで知らなかったことをたくさん知り、魚のおいしさを改めて感じた一日でした。

　企画に際し、お魚が届くまでのスケジュールや大まかな地図を作ったので、夏休み期間お店に展示しています。ディアーズコープたつたがわにお越しの際はご覧くださいね。

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