ならコープは、消費税は低所得者ほど負担割合が大きくなるため、税負担の社会的不公平の是正にはならないことから、逆進性の強い消費税は廃止し、直接税を基本にした応能負担の原則に基づく税制に見直すことを求めて運動を続けています。
 ならコープは、消費者の生活と暮らしを守る立場から、2019年10月に予定されている消費税増税に対する意見書を安倍晋三内閣総理大臣に提出しました。

 

内閣総理大臣 安倍晋三 様
 
 

消費税増税に対する意見書
 
 
 2014年4月、「社会保障の財源」に充てるためとして消費税率が5%から8%に引き上げられ、2017年4月には10%に引き上げることとされていましたが、個人消費の落ち込みや経済の停滞、国民の強い反対の声におされ、10%の引き上げは2度延長されました。
 内閣は、10月15日の臨時閣議で、2019年10月に10%に引き上げることを改めて表明されました。同時に、増税後の景気の落ち込みを抑える対策として、キャッシュレス決済のポイント還元やプレミアム付き商品券などの諸施策が検討されていますが、様々な問題も指摘されています。
 ならコープは、消費者の生活と暮らしを守る立場から、逆進性の強い消費税の導入に強く反対し、撤回を求める運動を続けています。こうした姿勢にたった上で、消費税は、年金や医療、介護、子育てといった社会保障費の財源を増やし、財政の立て直しにつなげるために活用することが本来の目的とされてきたことに照らし、今回の増税を実施する前に、政府に以下のことを要請します。
 
 
1.消費税の増税は、社会保障費の充実との一体改革であるのが政府の考えであったはずです。景気対策の名のもとで財政規律を緩ませることになれば、その政策そのものに疑念を持たざるを得ません。持続的な社会保障の実現と増税を結びつけた根本的な議論を、国民を交えて行い、その方向性を明確にして、丁寧な合意形成を重ねていくことを求めます。
 
2.いのちの源である飲食料品に課される軽減税率制度の適用において、特に販売施設内で飲食することによって税率が異なるケースも出てくるため、国民・事業者に混乱が懸念され、非常に分かりにくい施策となっています。また、増税や経済対策の施策の対応に多大な社会コストが掛かることが想定され、このことは結果的には国民負担につながることとなります。政府は国民の声と消費生活の実態に基づく施策を慎重に検討し、その上で判断することを求めます。

以上
 
2018年12月21日
市民生活協同組合ならコープ
理 事 会