便利でおいしい素材
ミンチといえば、たいへん使い勝手のよい食材のひとつ。とりわけ牛・豚の合挽きミンチは、料理のしやすさもふくめ欠かせないと感じる人が多いだろう。たとえばハンバーグの場合、牛肉だけでつくると少々まとまりにくい。火加減を間違えれば焼き上がりの見栄えもむつかしくなる。マヨネーズを加えて練るなどの工夫はあるものの、合挽きミンチの方が手軽においしくできあがる。
レパートリーも広い。肉団子、ロールキャベツ、ピーマンや玉ねぎの肉詰め、麻婆豆腐・・・・と、たちどころにおなじみの味。さらに「合挽きミンチのそぼろ」があれば、常備菜にとっても重宝。甘めの醤油タレにネギ油やゴマ油で仕上げた和風定番をはじめ、味噌、カレー、コチュジャン、オイスターソースと気分次第でいろんな味わい。ストックにあわせて弁当、どんぶり、ドライカレー、パスタ、焼きめしなど楽しみ方も自由自在に。
ありあわせの卵や野菜でサックリできる一品は、忙しいときほどありがたい。
さて、ならコープには国産合挽きミンチ(バラ凍結)という商品がある。パラリ、とほぐれたカタチで凍結されていて、使いたい分量だけをサッと使えるロングセラー。ならコープ物流センターに隣接する工場で、この身近な食材がどのように製造されているのかを訪ねてみた。
目には見えないけれど
ミンチの製造は株式会社ヤマト屋がおこなう。その取引は古く、ならコープが創立間もない頃にさかのぼる。むかしから産直牛肉の整形加工を担う取引先だ。
使用する原料は牛肉、豚肉ともに信頼できるものを仕入れる。冷凍ブロックを断裁、フレーク状にしてミンチに。それを凍結すれば完成と工程はシンプル。ポイントは凍結方式(IQFバラ凍結)にあり、できあがりのミンチがパラパラとほぐれるのがミソ。使いたい分だけ取り出せる利便性に加え、
調理時にもパラリと仕上がることが人気。そして・・・・目に見えないけれど、こんなコトが商品の品質を大きく支えている。
「ミンチについて言えるのが脂肪のバランスです。多すぎればギトギトになり、少なすぎればパサパサになります。ならコープ初代専務理事と先代社長の時代から、牛・豚肉を見つめてきましたが、そんな肉屋の経験とカンで“よい塩梅”になるよう努めています。ミンチづくりで最も苦心するところかもしれません」