伊助と柳川理想
ならコープの産直野菜では人参でもおなじみの熊本県・肥後農産出荷組合。今回はごぼう、里いものふたつを訪ねてみた。
まずは、ごぼうから。産地では「伊助」「柳川理想」の2品種を栽培。どちらも白肌でやわらかく、香りの良いことで知られる。ごぼうは種まきの時期や栽培期間で味がちがってくる。水田の跡地ではトンネル栽培(半円形のビニールハウスでごぼうを覆う)で短期間に育てるなどして、やわらかさが出る工夫に余念がない。
種まき直後の除草は手作業でおこなうため、人員の確保はひと苦労。おなじ土地で栽培をつづけると害虫被害がでやすく、キャベツと輪作したり代替地の確保に悩むこともある。それでも作付けを4シーズンに分け栽培。「常に新鮮で食味の良いものを届けよう!」と3軒の生産農家が約100トンを出荷する。
季節を感じながら
里いもも品種はひとつではなく、出荷順に石川早生(いしかわわせ)、女早生(おんなわせ)、蓮葉(はすば)を栽培。その系統は西日本特有の石川系。ねばり気がある、しっとりタイプになる。
中秋の名月に皮ごとゆであげ、抹茶塩などで口にすれば顔がほころぶ石川早生。さっと炊きあげた煮物が恋しくなってくれば、もっちり・きめ細かな女早生。煮ころがしや濃いめの味付けで・・・・そんな時節には、ねっとり心地よい食感の蓮葉を。もちろん、こうしたことにとらわれる必要はない。けれど、ならコープの産直里いもは、季節を感じながらその微妙な食味の違いをたのしめるようになっている。
早いものは夏場すぎから出荷がはじまる里いも。
豊かな水分と暑い夏がその味わいをグン、とよくする。乾燥に注意すれば栽培は比較的容易だが、とても求肥力が強く、産地では最低で4年、できれば7年ちかく畑を空けての作付けとなる。そのため農家では借地もしながらの栽培に。収穫時は小芋の切り離しや選別がすべて手作業となり、たくさんの人手を確保するのも苦心のひとつ。そうして「少しでもおいしいものを届けよう!」と8軒の生産農家が約100トンを出荷する。
縄文時代から?
山で採れる山芋(自然薯/じねんじょ)に対して里で採れるから里芋。名前の由来を調べてみればそんな解説が目につく。一方、ごぼうは中国で名づけられた。ごぼうによく似た蒡という植物があり、大きなものに牛という文字を当てることから牛蒡になったとか。どちらも縄文時代から栽培されていたのでは?との説もあり、その歴史はたいへん古い。
※ごぼう、里いもの品種や栽培時期はその年度によって変動します。
期間、入荷を約束するものではありません。