毎日の食卓に
毎日食パンがデビューしたのは2004年の春。8年以上にわたって案内されてきた商品が、この秋に期待のリニューアルを遂げた。価格と品質、ともにネーミングどおり「毎日」の食卓にたいへん嬉しいものになっている。ただ、リニューアル前とくらべて何が変わったのかも気になるところ。そこで製造メーカーを訪ねてみた。
ふたつのポイント
まず、小麦粉。従来のミックス粉から小麦粉100%に。それにともなって小麦粉の仕入れ方法が変わり、運送や袋の処理コストを削減。小麦粉の質はこれまでと同等なので、袋をひとつずつ割いて中身をとりだしていた作業より(異物対策などで)品質的にも安定した。
もうひとつは新たに湯ごね生地(湯種生地ともいう)を配合したこと。小麦粉は熱湯で練り上げると、でん粉がアルファー化する(お米の炊飯とおなじ)。そうした生地を加えると、しっとりやわらかな食パンができあがる。
ふたつのポイントを見れば今回のリニューアル、なかなか良好に映る。「これまで個別だった原材料の仕入れを一括に変更するなど、製造コストを抑えることができました。品質を下げることなく、おいしい食パンをさらに低価格でお求めいただけるようになりました」そんなメーカーのコメントにも素直にうなづけるというものだ。
品質と価格と
たとえば店舗用に出荷する商品と共同購入用に出荷する商品のために、工場では製造を日に2回おこなう。共同購入の場合、商品が支所から各家庭へ届くまでに時間がある。製造直後に出荷して「少しでも新しいモノ」を組合員が手にするための配慮だ。
日本生協連との度重なる話し合いを経て、生産管理や品質管理も操業当初にくらべ要所で進歩した。その結果清掃が徹底され、工場
内は気になる箇所が見当たらない。焼き上がった食パンに付いた微細なパンくずなどを手作業で丁寧に拭き取る作業も生まれている。
今回、リニューアルに至るまでの間にも消費者の目には見えない部分で続いた努力と工夫。「この品質でこの価格」とはよくいうけれど、毎日食パンはその言葉を裏切らないコープの自信作に仕上がったと云っていいだろう。