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瀬戸の島々
 しまなみ海道に沿って点在する島々のひとつ、生口島(いくちじま)。そこに、ならコープ産直レモンの産地でもある広島県瀬戸田町がある。すぐ隣には因島、南に愛媛県大三島を望む。
 年間平均気温が14度と温暖な上に、全国的に見ても雨の量が少ない地域。柑橘類の栽培が盛んな中で特にレモンがよく実り、むかしから収穫されている。ただ、昭和39年の輸入自由化、昭和56年の大寒波で島のレモンは一時壊滅状態となった。後に国産レモンの安全性が見直されてから、生産は徐々に回復。現在は国内トップの生産量だが、その復興の過程では生協が大きな役割を果たしている。約30年前「安全・安心なレモンを利用するために、どうしても国産を」とコープこうべが取引を開始。やがて全国の生協へと広がり、ならコープも昨年から産直提携をはじめた。
 今回誌面に登場する「CO・OP 広島のレモン果汁100%」は、そんな産地の工場で製造されたものだ。
生産者の想い
 レモンの収穫期間は意外に長い。10月から翌年の1月にかけて全体の8割を、3月下旬から4月に残り2割を収穫する。工場では充分に黄色くなり果汁分が多くなった頃合いのものが入荷、ブラシ洗浄後にインライン搾汁方式で果汁をしぼってゆく。
 一見したところ古風なマシンにも見えた搾り機。だが、果肉があまり空気にふれることなく果実の中身だけを圧搾、果汁を抜き取るスグレモノ。この方式なら、外皮の苦味が果汁に移る心配もない。
 しぼりたての果汁はメッシュ型の遠心分離機で澄んだ液体となる。この後、高温で処理すれば常温保管できるが・・・・
 実際にはマイナス20度の冷凍庫へ。「殺菌して常温保管すればコストも抑えられます。でも、このタイプの商品はビン詰め時にも殺菌が必要。そうなると2回も熱をかけることになりますが、それではレモンの風味が飛んでしまいます」そう語る工場の責任者は、同時に島のレモン生産者のひとりでもある。なるべくしぼりたてに近いものを届けたい───その想いは、自分たちが栽培した島のレモンと重なりながら、利用者をファンにする香りと味を秘めている。
ファクトリー
工程1
1. 豊かな収穫
生口島(いくちじま)をはじめ、因島などの一帯は我が国屈指のレモン産地。収穫量は国内トップを誇る。
工程2
2.その採れたてを
工場は生口島にある。生産者が収穫したレモンは洗浄ラインを経て、ゆっくりと搾り機に向かう。
工程3
3.大きな搾り機で
インライン搾汁機と呼ばれる大きな搾り機。どことなく懐かしい雰囲気が漂うものの、製造では非常に重要なポイント。
工程4
4.シンプルに
搾り機の内部へレモンが入ってゆく様子。くし型の円柱にレモンが収まると、上から圧搾部が降りてくる。
工程5
5.中身だけ
レモンを圧搾して果汁を搾る瞬間。外皮を混ぜ込まず、果実が空気にふれることもほとんどなく中身だけを搾るスグレモノ。
工程6
6.澄んだ果汁を
搾った果汁はすぐに遠心分離器へ。金属メッシュで内皮などを取り除けば、澄んだ果汁ができあがる。
工程7
7.手間を惜しまず
果汁をすぐに高温殺菌すれば常温保存後に充填できるが、工場ではあえて冷凍保管→解凍した果汁を使う。
工程8
8.風味を守る
冷凍保管のおかげで保管前の加温は不要となり、果汁は充填時の「1回のみ」の加温で出荷できる。
coop商品図鑑

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