歯ざわりの緑豆
もやしは大豆、ブラックマッペ、緑豆の3種類がよく食べられている。この中でシャッキリ感、食べ応えに好評の声が高いのが緑豆もやし。ササッと炒めて塩コショウしただけでも、頬ゆるむ旨さと味わいがある。ただ、低価格野菜の代表的な存在だけに「どれを買っても同じなのでは?」とも思われがち。そこでコープがみなさんにご案内している緑豆もやしの製造現場を訪ねてみた。
腕の見せ所
緑豆もやしの原料豆は、中国で生産する。歯ざわりのよさを求める上では、中国産が欠かせないといわれる。現地の畑での栽培管理が明らかな緑豆───それを兵庫県三木市の工場で栽培、出荷する流れだ。
入荷した緑豆は丁寧に洗浄後、豆への吸水(仕込み作業)をおこなうことで、均一な成長をうながす。失敗すれば育成不良が発生する、たいせつなポイントだ。
仕込みを終えると、巨大な槽の中に敷き詰めた緑豆が室(むろ)と呼ばれる栽培室へ移動。室は発芽からの日数に応じて複数あり、栽培担当者が長年培った経験をもとに生育環境を上手くコントロールする。
そうして地下100メートルの地下水を浴びながら、もやしは白くて太く、シャッキリした「命の萌え=萌やし」へと成長を遂げる。
種の持つ栄養分と水だけで成長するもやしに、化学肥料などの使用はない。けれどその栽培には「腕の見せ所」がたしかにある。
密かな工夫
成長したもやしは、すぐさま加工場へ。要所に異物感知センサーを設けた作業ラインを、たいへんな量が流れてゆく。回転式ドラムで緑豆の豆殻だけを取り除いたり、鮮度保持のために冷却水を通したりと速やかな中にも密かな工夫が満載。
最も目を惹いたのは、ほそい糸のような根を取り除く箇所。もやしをつぶさないように転がしながら小さなプレートにのせ、その細い溝にはさまった根が切れて取れる、繊細な作業。でも、このプレートを毎日どれほどの数のもやしが通るのかを考えると、ちょっと気が遠くなってしまう。
低温下での鮮度維持に効果的な紙袋の使用など、まだまだ伝えたいコトがたくさんあるけれど・・・・ここで紙幅が尽きてしまった。あとはみなさんが手にして、その品質をぜひ確かめてほしい。