神さまのパワー
おせち料理は「御節料理」と書く。この「節」は端午の節句など、本来は1年の折々に訪れる「節目」を意味する。大昔は節目のたびに食され、今とはずいぶん内容もちがっていた。
その原型が完成したのは江戸時代。節目ごとではなく、新しく年が変わる直前の大晦日、年神(年の神さま)をもてなす意味で準備した。煮染めや焼き魚なども、この頃から箱に詰めるようになったそうだ。
現代、私たちは年神の依代(よりしろ/降りてくるための目印)である門松を置き、「門口が清浄な領域」であることをアピール
するための注連(しめ)飾りをかざっている。そして年神に「御節料理」を供え、そのお下がりを口にすることで神の持つ力をいただく風習の名残として───おせち料理を食べている。近頃はパワースポットやそれに関する歴史、アイテムなどがブームになっているけれど・・・・実は家庭でも立派なコトをしているのかも(?)。
食材に特長
『割烹料亭千賀 オリジナルおせち』は、ならコープのオリジナル。製造は料亭を経営するメーカーが主に担当する。その料理長(社長でもある)が監修することで、味付けや炊きあげなどに、ひと味ちがった商品づくりを求めた。
また、「一年中まめ(元気、勤勉)に働けますように」の黒豆は宇陀産、奈良県産本葛を使った葛入まんじゅう、ほどよい甘さに炊いた奈良県産ごぼうのしぐれ煮では牛肉に産直ロイヤルファーム牛と、ならコープならではの食材も取りそろえる。
少量・多品目をひとつの箱にまとめる性質上、おせちづくりには複数のメーカーが商品に関わる。しかし、全体を監督しながら主要な食材をつくり、責任をもって生協に納品する千賀屋がキーマンであることに変わりはない。そうした意味で、今回の商品は日本料理を知り尽くした料理長が気を配って商品づくりをすすめる。手づくり感あふれる製造現場、奈良の食材使用に注力したこともあわせ、あなたの家に舞い降りる年神がよろこぶ縁起物かもしれない。