先見の明
もともとは、ならコープ商品(PB)だった冷凍讃岐カレーうどん。2000年5月から半年の時間をかけて、当時の中部ブロック(現・中エリア)の組合員が商品づくりに関わってデビュー。カレー・麺・だしなど、あらゆる要素を検討して試食を重ね、最後には100人を超える組合員モニターから「おいしい!」との評価を得た。現在ではコープきんき商品となって県外の組合員からも支持されている。
ただ、開発当初、カレーうどん製造の話を持ちかけられたメーカーサイドでは「なぜ?」と首をかしげるむきもあった。「讃岐の本場」を自認するメーカーにとって─少なくとも当時は─カレーうどんは本気で取り組む王道品でもなかった。ましてやこだわりの強い生協商品として本当にデビューを?が実感だったという。
しかし、商品部では消費者の潜在的なニーズの高まりを予見していたこともあり、先述のとおり組合員との二人三脚で開発がスタート。今では冷凍うどんの定番として、なくてはならないアイテムのひとつになっている。
ザ・カスタムメイド
あの、お鍋に便利なまるい麺の形状だけではなく、麺の太さやカレーのタイプ(サラサラなのか、とろみがついているのか)ひとつから組合員と検討をはじめたことに、商品のとても大きくたいせつな特長がある。カレーらしい香りは欲しいけれど、辛すぎると子どもは食べられない・・・・具材には肉以外にもアクセントがほしい・・・・和風だしの旨味も感じたい・・・・コシがあるけどなめらかで、もっちりしているけど固くない麺がいい・・・・
こうした組合員の声ひとつひとつに応えて製造の過程や商品の仕様を定めてゆく、それはまさにカスタムメイドの世界に他ならない。とろみのついたカレーには、2種類のスパイスを使って香りとまろやかさを両立。美味しさのポイントにはきざんだ油揚げをプラスした。うるめ・さば・2種類のかつおエキスで和風だしの旨味を演出。そして、香川のうどん職人の「手ごね」を追い求めた生地づくり。「組合員さんの利用結集がなければ、とても今の価格では出荷できないです」とメーカーがコメントするのもうなずける。
カレー釜での作業中、糖度計でチェックしているのが目にとまった。カレーには、規定の糖度が定められているのだという。もしも規定値に達していないときは・・・・?「その場合は廃棄です。つくりなおしになりますね」即答したその言葉には、消費者の声にチャレンジする製造現場のプライドがあった。