「白しょうゆ」へのこだわり
白だしは、名古屋の醸造メーカーがはじめてつくったといわれる。そのオリジナルは白しょうゆをベースに鰹節や昆布などの旨味を加えたもの。今ではさまざまなブランドが市場に登場、淡口しょうゆをベースにしたタイプも多数ある。
今回登場の商品のベースは白しょうゆ。旨味成分そのものは淡口しょうゆに分があるけれど、より淡く、まろやかな甘味と風味をもつこと・良質な鰹節や鯖節、昆布エキスの旨味をふくらませる「脇役」として好適なこと─白だしの原点にかえりたいとの想いが、選択の理由になった。
培った歴史や伝統とともに、醤油や味噌などの醸造では屈指のメーカー・フンドーキン醤油。九州では自社のみで製造と謳う、その白しょうゆづくりからレンズを向けた。
製造の現場で
白しょうゆは、小麦90%・大豆10%程度の穀類が素になる。それを原料処理したあとに種麹を入れて「麹(こうじ)」をつくる。塩水を入れて仕込めば(タンクで2ヵ月から3ヵ月ほど低温発酵・熟成)、トロリとした「もろみ」ができあがる。小さな機械では人の手で、大型機なら自動化で、もろみをうすい布の上に伸ばしては別の布をかぶせてゆく。やがてそれは何層にも積み重なり、圧搾機へ。上から大きな圧力をかければ、滴る琥珀色の液体─白しょうゆはこうして生まれる(濃口・淡口しょうゆも搾り方はおなじ)。
一方、熱水で満たされた釜では、巨大な円筒形のカゴに鰹節・鯖節(けずり節になったもの)を漬け込む作業がすすんでいた。商品の大きなポイントとなる鰹節と鯖節には、吟味した良品を使う。直線的に香りたつものなら、荒節でもよかった。ただ、奥深い旨味、ということになると事情がかわってくる。関東ではむかしから喜ばれるこの上質タイプに、荒節のような華やかな香りはない。そのかわり、じっくりと芯のある旨味をもつ。
カゴを引き上げ、だしの抽出が終われば濾過器を通って配合・混合タンクへ。ここで食塩や砂糖、昆布エキスなどを調合して商品が完成する。容器への充填とラベリングが終われば出荷だ。
お得感もたっぷり
商品は、他とくらべてたくさんのだしが取れる設計になっている。たとえば、お吸い物なら10倍にうすめる(原液1:水9)ところが、この商品なら14倍(原液1:水13)といった具合。また、「だししょうゆ」としても使えるので、洋風から中華まで、工夫次第であらゆる料理を美味しくできる。
1リットルで、税込み500円を切って案内されることが多く、お買い得感が高いのも特長だ。
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