黎明の海で
鹿児島県は大隅半島の東側、志布志湾のほぼ中央に位置する志布志市。半島を西へ超えれば、そこは桜島が浮かぶ鹿児島湾。平成18年1月1日、それまでの曽於郡松山町・志布志町・有明町が合併して生まれた街。海辺にはシュロによく似た枇榔(びろう)の木々が潮風を受け、訪れた者に南国の風情を伝えている。 美味で知られるトラガニ・ウチワエビをはじめ、ミズイカやハモが豊富な志布志の海は、春から初夏にかけてちりめん漁で大いに賑わう。昨年は宮崎など近隣の漁場を尻目に、ひときわの豊漁で活気づいた。 東の水平線が、ほんのり明るくなる頃、男たちが次々と船に乗り込んで漁がはじまる。1艘もしくは2艘の船でU字型になった網を曳きながら、夜明けの湾内を滑走する漁船。その先には魚群探知機を積んだ誘導船がいて、海面下2〜3メートルを群れるカタクチイワシの稚魚(=ちりめんじゃこ)を追う。海面に黄金色のかがやきを映しながら、夜明けの太陽に包まれてひかるその姿は息をのむほどに美しい。 網を曳き終えた漁船は、海上で誘導船への水揚げをおこなう。まるでガーゼのようにきめ細かな袋をあげる一瞬、白く透明で糸のような「生きて泳ぐちりめん」の姿が現れる。海水をこして、ちりめんを水色の樽に手早く詰め込むと、船は荷下ろし場へと疾走する。湾岸では小型クレーン付きのトラックが到着を待っている。
大きな進歩
トラックに積んだちりめんは、近くにある漁師さんの加工場へと搬入する。獲れたてを釜ゆでしてスタートする一連の作業はとても完成度が高い。ちりめん以外の小魚などの除去・風力を巧みに利用しての、ゆであげ後の拡散・温室とベルトコンベア、大型扇風機を組み合わせての天日干し・・・・ 実は過去にも2度、今回とおなじく複数の加工場を訪ねている。当時とくらべて「現場」は格段に進歩していた。それはもちろん、豊漁に支えられた経済力の賜物ではある。けれど、「消費者から認められる」ための地道な意識改革がすすめられたことも見逃せないポイントだろう。 そうして加工を終えたものが、ようやくメーカー(谷口海産)の工場に入る。昨年一新されたという場内は、天井・壁面、気密性、異物(有機物)対策の点で、やはり大きく改良されていた。色目や大きさなど、イザとなれば「各生協ごとのお好み」で出荷が可能なノウハウをもつ製造ライン。現在は日生協が指定する塩分濃度・大きさ・色目で、私たちに商品を届けてくれる。
太陽の力で
むかしながらの手撒きと最新式の温室方式、 方法は違っても太陽の力で旨味を増すのはおなじ。
最新の製造ラインで
メーカーの新工場では塩分・水分・サイズの安定化をすすめ、 すべてのロットを検査して包装・出荷。
おなじ50gで違いアリ
50g入りの商品には、中〜小筋のちりめんを、 10g×5袋入りの商品には、小筋のちりめんを選別して使用。
1.網にかかった「ちりめん」
船上で水揚げする直前の様子。糸のように細いちりめんじゃこが、無数に泳いでいる。
2.すぐに樽詰め
網からパイプで吸い上げ、海水をこしてドンドン出てくるちりめんを慌ただしく樽詰めしてゆく。
3.漁師さんの加工場
少し前まで生きて泳いでいただけに、ハリがあって美しい姿。この獲れたてを、すぐに釜ゆでする。
4.ラインの全景
手前にたまったちりめんを、小分けにすくいあげながら小魚などを除去、ボイルしてゆく自動ラインの全景。
5.巧みな加工
ボイル後、固まっているちりめんを風力で適度に拡散しているところ。この後、オゾンなどを通って天日干しへ。
6.コンベア式の温室
現在は、このようにして天日干しをおこなうようになっている。扇風機もあって効率がよい。
7.さらに作業はつづく
天日干しを終えると、いよいよ最終段階。メーカーの工場では、機器だけでなく目視選別によるチェックもおこなう。
8.真新しい設備
大きさなどの選別・様々な異物検査が終われば、自動包装ラインへ。ようやく完成のはこびとなる。
ズッキーニとの新しい出会い
●材料(4人分)
ズッキーニ・・・・2本、プチトマト・・・・4個、 オリーブオイル・・・・適宜、CO・OP ちりめんじゃこ・・・・20g、 ピザ用チーズ・・・・大さじ3、乾燥パセリ・・・・適宜
●つくり方
アボマヨディップ
アボカド・・・・1個、CO・OP ちりめんじゃこ・・・・20g、 マヨネーズ・・・・大さじ1、レモン汁・・・・小さじ1、パンやクラッカー・・・・適宜
Oh!うまかポテトピッツァ
じゃがいも・・・・3個、オリーブオイル・・・・適宜、 トマトケチャップ・・・・大さじ2、CO・OP ちりめんじゃこ・・・・20g、 ピザ用チーズ・・・・大さじ3、乾燥パセリ・・・・適宜