これからが旬
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新鮮な海水で
集荷したあさりを収容する「砂出し池」。地下からくみ上げた海水が常に流れています。海水は循環せず、海へ排出しています。 |
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パック詰めの前に
パック詰めラインへ入る前に、まずは検品。不良品を取り除くとともに、時にはニオイを確かめたりしてチェックします。 |
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いよいよパック詰めへ
パック詰めのラインで、あさりがパックに入る直前。ここでもチェックの手が入ります。これで、検品も終わりでしょうか? |
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間際でもいろいろと・・・・
コレ、あさりが容器に入ってフタされるまでのわずかなスキ間での光景です。検品ではないけれど、やっぱりあさりを整える「手」が・・・・ |
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3月初旬から5月頃は、あさりが最も美味しい季節。貝の中の身がふっくらと充実する、そのピークを迎える。ただ、貝殻は薄くなり、ちょっとしたことでヒビや割れが生じてしまう。これは旬であることの証ともいえるので、あまり心配することはないだろう。
今回訪ねた大淀(おいづ)貝類流通センターでは、砂出し池と呼ばれる巨大な海水槽で、出荷前に砂出しをおこなっている。それでも、完全に砂を吐かせるまでには至らないそうだ。商品が届いたら、調理前にコップ2杯の水に小さじ1の塩の割合で塩水をつくり、1時間程度漬けておくのがよい。これで残った砂もほとんどが抜けてくれる。
あさりは、できれば届いたその日に食べてしまうのが理想的。パックに入れたまま、温度が5度以上のところで放置すると、貝がスグに目ざめてしまう。ぎっしり詰まった貝たちが「呼吸」をはじめ、たちどころに酸欠・・・・死んでしまうのも時間の問題となる。海水パックの貝は、すぐに取り出して濡れた布などにくるんでしまうのがベスト。そうして調理までの間、冷蔵庫に入れておけば安心できる。
旬のあさりは旨いだしがたっぷりとれる。フライパンに何も入れず、ただ、あさりを炒めるだけ・・・・そんなざっくばらんな料理?がそそる。そのアツアツを「ちゅっ」とやれば、これまたビールがすすんで困る。フライパンの底に残ったおツユは、ちょっと薄めにつくった味噌汁の鍋へ。翌朝食べるこの味噌汁が、これまた最高なのだ。
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丹念な出荷作業
三重県漁業協同組合連合会・大淀貝類流通センターをはじめて訪ねたのは15年ほど前。当時は、砂出し池から出したあさりを木製の四角い「ふるい」で選別する作業員さんの姿があった。あさりはそもそも漁船での収獲時にごみなどが取り除かれている。センターでおこなうのは「貝そのもの」のチェックだ。その後、6年ほど前に訪ねた際は、木製のふるいが機械式の選別機に変わっていた。ただ、機械でふるいにかけたものを、やっぱり作業員さんが手作業で選別していた。
今回、場内で気づいたのは、包装加工ラインが一新されていたコト。先に選別した貝をパック詰めするまでの間にも、入念にたしかめる姿があった。あさりって、決して採りっぱなしで出荷されているワケじゃない・・・・そんなことを、改めて実感した次第。
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