岩国の白い花
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洗浄機への投入
収穫したれんこんは、両節をカットするため別の作業場で成形処理の後、洗浄機を使ってきれいに洗います。 |
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洗浄機の出口では・・・・
専用の洗浄室に設置された洗浄機。土のついたれんこんが、アッという間に見事に洗われて出てきます。 |
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カット処理と計量
それぞれの規格にあったサイズや量目にそろえるために、カット処理と計量をおこないます。メーカーでは最新の計量器も導入したそうです。 |
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安心の脱気パック
洗浄からカット・計量までを手早く済ませて、最後に脱気パックをおこないます。漂白剤などを使わずに、フレッシュな状態でお届けします。 |
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蓮根(れんこん)は、その名のとおり蓮(はす)の根をいう。水中に眠る長い根茎は先端になるほど大きくなり、空を見上げる葉は直径80センチほどになることもある。日本の在来種は赤紫色の花を咲かせ、盛夏の夜明けや夕暮れには、時を止めるほど美しい。
ただ、岩国に咲く蓮根の花は白い。大正時代に渡来したという、それは大陸種の特徴を今に伝える。根は太く育ちやすく、味にも深みがあるシロバナ種。生産者たちは、地元の土や季節と相談しながら改良を重ね、「日本一」を自負する品質へと高めてきた。
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子どもたちの姿
岩国市を訪ねたのは8月。産地の尾津・門前町にむかう途中、大きな河のほとりで遊ぶ子どもたちを見た。堰堤の水辺で泳ぐ姿は、今や物語や映画でしか知ることのない光景だ。生産者の強い推薦もあって赴いた錦帯橋でも、澄んだ水の中を泳ぐ父子の姿があった。
広大なれんこんの栽培田は、その錦川の水で満たされている。ところどころ片隅をのぞき込めば、専用に敷設されたパイプラインが、まるく大きな蓮の葉陰でこっそり口をあけている。
そこで働く生産者たちは、山口県エコファーマー(環境にやさしい農業を目指す生産者)の認定を受けていた。彼等は山口県の慣行基準から農薬を約30%減らして栽培に取り組む。そうして化学肥料を控え、堆肥などの有機肥料を与えて土を生かす。その土にも、れんこんにも、たっぷりとゆきわたっているのが、あの清流の水なのだ。
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ふたつの味
れんこんは種をまくのではなく、根の一部を栽培する。春先に植えたものが3ヵ月もするとみるみる大きくなり出荷を迎える。夏、一足早く登場する早生れんこん(福だるま・坂本早生など)は、色が白く歯ざわりも固め。それが秋になり、シロバナ種の収穫を迎えると色味も濃くなり、濃厚な口あたりを帯びる。煮物などに使うとホクホクしてくるのも特長だ。これからの季節、酢れんこんで小気味よい歯ごたえを楽しむか、筑前煮などでモッチリした味に舌鼓を打つかは悩みどころ。おっと・・・・白い花のれんこんは、もちろん揚げても、とびきりうまい。
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