しらすとちりめん
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最高のゆで加減
ふっくらやわらなウマさの秘訣。それは独自の煮釜にヒミツがあります。詳しく言えないのが残念ですが、小さな魚体に負担をかけず、ムラなく仕上げます。 |
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最新の機器で
一度選別作業をしたあと、こんな装置をくぐります。コレ、黒っぽいモノなんかを瞬時に検知してピンスポットエアではじき飛ばしてしまうそうです。スゴイですね! |
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さらにつづく選別
包材へ入るまでには、まだまだ選別作業が続きます。どのラインにも、こうして3人の作業員さんが丹念にチェックして、異物や不良品を取り除きます。その手元を見てみると・・・・ |
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美味しさへの真心
こんな道具でピュッと吸い取るのですね。集中力と根気が必要な作業ですが、これも「ピュアな味」をお届けするための努力。それでもわずかな見逃しはあるそうです。 |
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どちらも原料はイワシの稚魚(マイワシ・カタクチイワシ)。関東や伊豆方面では「しらす干し」といわれるものが、静岡あたりから西へすすむほど「ちりめんじゃこ」に変わるという。ただ、両者は水分量に違いがある。70%前後のしらす干しにくらべ、ちりめんじゃこは50%以下だ。
しらすの漁場はプランクトンの豊富な入り江や湾。最盛期は春だ。さざめく波のひかりを寄せ集めるように進む2艘の船。海面下わずか2〜3mを回遊するイワシの稚魚は、U字型にしつらえた網の、そのいちばん先にある袋へと導かれてゆく。指先にすこし力を込めれば、はかなく崩れ去りそうな白い魚。その日の海の色に染まってしまうという透きとおった魚体。水揚げのあとは、すぐに加工することが旨さの条件。
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海を望む加工場
高速運搬船で運ばれた氷詰めのしらす。それが海(和歌山県・湯浅湾)から車で5分ほどの加工場で釜茹でになる。むかしながらの丸釜で仕立てることが多い中、商品に用意されているのはまったくちがった発想の釜だ。詳しく説明はできないが、小さな魚体ひとつひとつに負担をかけず、まるで湯中を泳ぐかのように仕上げている。絶妙な塩加減で茹であげ、湯切りしたあとは外気にふれない特別な乾燥機に。手際の良さと独自の工夫が、あのなんともいえないやわらかさ、ふくよかさを生む秘訣でもある。
乾燥を終えたしらす干しは、異物などを取り除く選別ラインに移る。各ラインとも、いちど手作業で検品したものが自動選別機を通ってゆく。黒っぽいものなどは、空気の力で瞬時にはじいてしまうという装置だ。その後、さらに3人の作業員がチェック。この丹念な手仕事が、他とはひと味違うポイントかもしれない。包材に詰めたあともX線装置で最終確認。これでも100%完全とはいえないそうだが、ピュアな旨さを求める組合員の声は、まっすぐに生産現場の努力へと換わっている。
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たいせつにしたい食材
イワシの稚魚を生のまますいて、薄い板状に干し上げると「タタミイワシ」になる。幼魚を干物にしたものは定番の正月料理、ごまめ「田作り」に。兵庫県ではおなじみの「いかなご」は、独自の種でイワシではない。うんと小さなものは「こおなご」と呼ばれている。
私たちは遠いむかしから稚魚や小魚を食に取り入れ、その美味と栄養を手にしてきた。しらす干しをはじめ、こうした食材がのぼる食卓・・・・それは、海の豊かさが約束されている証でもある。
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