金太郎の肌?
金時豆は、いんげん豆の代表種。栽培が盛んな北海道で、いんげん類の半分以上を占めるといわれる。その中で最も多いのが、商品にも使われている「大正金時」だ。
昭和初期に北海道十勝地方・大正村(現在は帯広市内)で量産されたから、金時豆の「金時」は金太郎の赤い肌にちなんだ、など名前の由来は諸説ある。赤いんげんとも呼ばれるポピュラーな品種だ。
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意外な食べ方も
金時豆は、カタチの良さ・食味の点で煮豆用に最も適するといわれてきた。他に思いつくものといえば、甘納豆だろうか。スープや煮込み料理にも使われるが、家庭の食卓ではあまり見かけない。今回紹介する商品は、上白糖液に漬け込み、すでに釜で炊いてある。箸休め・おやつとして利用することが決まっている・・・・なんて書くのは早すぎるようだ。
まずは徳島県。
こちらでは、バラ寿司に柚子酢を使うことがあり、酢飯も甘い味付けではないことがある。混ぜ込む具材は、高野豆腐や椎茸・コンニャク・ちくわ・錦糸卵・ちりめんじゃこなど。そしてシッカリ金時豆が入っているのが大きな特徴だ。
さらに。
鳴門へ行くと、お好み焼き・焼きそばに、ドーン!とコレが入っている。具材の主役ではないのか?と思うほどの量だ。お好み焼きの場合、豆の甘味でホットケーキを彷彿させる味わいになるという。初めて食べる人は一瞬、固まってしまうそうだが、「これが意外にイケる」との評判だ。
徳島県ほどではないが、沖縄の「しるこ」も面白い。あま〜い金時豆にコロンと白玉もちを入れ、さらにかき氷をふんわり。イチゴやメロンシロップ、コンデンスミルクをかければ完成。宇治金時の主客を逆転させたような感じだろうか?ちなみに、かき氷なしのものは「ホットぜんざい」になるが、冬でも需要はあまりないそうだ。
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デザートの「素材」に
このタイプの商品は、幕の内弁当の片隅に添えられていたり、包材のデザインなどで和食のイメージが強い。けれど、CO-OP
田舎金時豆は、パイの餡に使えば最高ではないかと思う。牛乳やバター・生クリーム・チーズやヨーグルトなど、乳製品との相性もかなり良い。つぶして素材に使うとみれば、その用途は一変してひろくなる。
誌面では「タピオカ&ココナッツミルク」「金時トースト」のつくり方をいつものコーナーで掲載したが、他にも興味深いものがあるので挙げてみよう。
まず、茶巾菓子。
田舎金時豆1袋(170グラム)と生クリームを大さじ1〜2杯用意。材料をあわせてラップ、レンジ(強/1分30秒)にかけてすり鉢で粗ずりする。すこし冷ましてラップに4等分に分けて包み、てっぺんをひねる感じで茶巾の形にして完成。
次は揚げものに挑戦。
春巻き&ホットケーキ揚げは、実にカンタンだ。はじめに春巻きの皮を長方形に切り分ける。皮の上へ横一列に田舎金時豆をならべて巻き、水でといた小麦粉をつけて止めよう。次にホットケーキミックスに牛乳を加えてよくかき混ぜて、好みの量の田舎金時豆を入れる。あとは両方を160度の油できつね色に揚げればできあがりだ。
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