かくれた部分の美味
大根の葉、むかご(山芋の実)、あるいは鶏のおシリや魚の頬肉。こうした部分、食材としてはあまり流通することがない。でも、大根の葉は漬け物に、むかごはかるく塩ゆでにしただけで、香りとコクが堪能できる。鶏のおシリは「ぼんぼち」なんて、焼き鳥のツウはコレに目がない。魚のほっぺも、なかなかだ。いちばんはマグロ。少量ならタイやハマチで実感できる。
そして、めかぶ。
いつも食べているわかめの、根本の部分。とろろを想わせる独特のぬめり。透明感のある鮮やかな歯ざわり。すこし似た食材に京じゅん菜が想いうかぶけれど、おかずにするならこちらに軍配。ズズズイっとすすり込んで、熱いごはんをほおばりたい。
地元ではむかしから食べたというが、関西ではなじみがうすい。佃煮なら、その商品化は30年以上も前だという。ヒラヒラ上品な葉?(わかめ)とちがって、なんだか変わったカタチの品。細かく刻んで生食する、そのうまさに気づいたのは誰だろう?そういえば、ホヤも三陸あたりが特産だ。
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意外に少ない国内産
ならコープの「とろろめかぶ」は、国内産(三陸産)だ。そこで、市販の品をいくつか調達。裏面の細かな文字をみると、どれもそろって中国産。4種買って国産ゼロ。偶然なのかも知れないが、国内産のめかぶ、意外と少ないようなのだ。
そこで、ちょっと気になる話をひとつ。
「日本も、いずれ国内産わかめが不足してくると思いますよ。だんだん、採れなくなっているようです」
とある場所で聞いた世間話。後継者不足が深刻なのだと。それに、もうひとつ気になる点。今、海の環境はどうなのだろう。輸入量の増大で国内生産者がつぶれ、その上、海が汚れたので国産はムリ・・・・もしも、そんなことでは寂しすぎる。ならコープ商品の利用で、食卓にささやかなレジスタンスを。
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タレのうまさ
めかぶの味は、無味無臭。そこにあるのは舌ざわりと食感だ。市販の品にはアミノ酸液で調味したもの、うすい塩味だけのもの、カツオエキスを効かせたもの、いろんな味の品がある。ならコープの「とろろめかぶ」につくタレは、醤油がベース。地元、岩手県で創業文化4年(1807年)の醤油メーカーが丹精込めた濃口だ。その「山仙濃口醤油」にカツオや昆布のうま味を加え、かくし味には醸造酢で味を引き締めた。
まるで添え物のような小袋のタレ。だが、めかぶにまぜると滅法うまい。米との相性を知り抜いた味は、めかぶ以外にも楽しめそうだ。
このタレをため込んで、もっとほかにも使ってみたい・・・・そこで、ならコープの「とろろめかぶ」に山芋の短冊を和え、そばつゆをたらして食べてみた。なめたけ茶漬けと和えてみた。いずれも悪くはなかったが、タレを味のベースにすると、もっともっと美味しくなった。
タレのため込みには失敗したけれど、この商品、みなさんもいろんな工夫でおためしを。
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