「生」にせまる食感
急速冷凍したものを真空(約2000分の1気圧)におくと、氷は直接気体になる。水分がにじみでることもなく、乾燥具合はみごとだ。これをフリーズドライ製法という。
熱風乾燥などで味の特徴を損なってしまうものでも、この方法で驚くほどの品質をたもつことがある。「沖縄産もずくスープ」は、まさに好例。もずくの風味と食感が舌の上でおどっている。実際、もずくがのびきったソーメンのようなら見向きもされなかったことだろう。昨年度、全国の生協での利用実績は推計1300万食。スープのうまさもさることながら、「生」にせまる歯ざわり・食感を満たしたこと。それは大きなポイントだ。
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品質へのこだわり
もずくには他の海藻などいろんなモノがつきやすい。沖縄の家庭で食す場合は台所でチョイ、と取り除く程度だが、加工品となれば話はかわる。そもそも日本生協連での商品開発時、メーカーへは異物の混入を「1ppm」以下におさえるよう要望があったという。1ppm・・・・それは100万分の1以下という、最高のレベルだ。
このため産地の沖縄では、まず異物がつきにくい方法でもずくを養殖。収穫(3月〜6月)したあとには、目視検査をおこなっている。海をわたった九州では、洗浄・塩蔵・冷凍などの二次加工をおこなうが、ここでも異物へのチェック(8人で1回・30人で2回の流水目視)を忘れない。さらに、商品が完成する青森県・八戸市の工場でも、塩抜き・洗浄とともに異物を入念にチェックする。
つるり、ぷちぷちとした、もずくのピュアな食感。そこには、こうした「品質へのこだわり」が込められている。
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スープはいかに?
うす口しょうゆ・カツオエキスなどの調味料をベースにしたスープは、みつ葉・ゆずで味にアクセントがついている。飲めばスグわかる旨さだが、ほんの少し手を加えただけで一層実感できるところがミソだ。
まずは大さじ4のお湯で濃いめのスープをつくろう。そこに温泉たまごをポトリ。単純だが、これがかなりイケる。あるいは・・・・さきほどの濃いめのスープに水100ミリリットルを加えてよく混ぜ、ザルで漉した溶きたまご(1個分)とあわせてみよう。あとは器に入れて15分蒸すだけ。できあがった茶わん蒸しは、アツアツでも冷やしても美味しくいただける一品だ。おや?そんな時間もない・・・・それならごはんにスープをのせ、お湯をそそいでお茶漬けはいかがだろう?これもスープの品質がよくわかるメニューだ。
お湯をそそいだ瞬間にできあがる手軽さ。あわただしい朝食はもちろん、職場でのランチタイムでも実に重宝する、小さく・軽い固形状。さらに、もずくにはカルシウム・ナトリウム・カリウムなどのミネラルやセルロース・ペクチンなどの食物繊維が含まれている。そういうことを想いうかべながら食べると、なお一層おいしく感じませんか?
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