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輸入食品についての考え方


基本認識

2008年の中国天洋食品製造餃子における薬物中毒事件発生に伴い、中国加工品をはじめ輸入食品に対する安全性への不安が増大しました。また2014年の中国食肉加工会社「上海福喜食品」の使用期限切れ鶏肉を使用したチキンナゲットの販売などで、さらに消費者の間に中国加工品に対する安全性への不信感が広がりました。
一方、国における輸入食品監視体制は、輸入量と比較して、まだ十分とは言えない状況にありますが、日本の2012年カロリーベースでの食料自給率は39%(奈良県内14%)であり、現在の日本の食生活が輸入食品を抜きにしては成り立たない状況であることを認識する必要があります。
また1995年に57億人だった世界の人口は、2012年には71億人に増加し、2050年には発展途上国を中心に96億人に増加することが予測されていますが、現在でも世界の8人に1人が栄養不足といわれる状況であり、さらに食料不足が深刻化することが懸念されています。このような中で、日本は、2012年の1年間で3,200万トンを超える食品を輸入する一方で、まだ食べられる食品を500〜800万トン廃棄し、食品を世界一ムダにしている国といわれています。

  1. 国産主要野菜の作付面積は、1995年に一時回回復しましたが、その後も年々減少を続けており、2010年には495,600haと1995年対比で84.3%に減少しています。(図@)

    また国産主要野菜の収穫量、出荷量も作付面積に比例して減少を続けており、2010年は収穫量13,365千トン(1995年対比79.0%)、出荷量11,129千トン(同82.1%)となっています。(図A)

    (農林水産省「野菜生産出荷統計」より)
  2. 農業を主な仕事としている全国の基幹的農業従事者数は、1985年3,464千人でしたが、1990年には3,000千人を下回り、2010年には2,051千人まで減少しています。
    また基幹的農業従事者のうち65歳以上が占める割合は、年々増加しており、1985年には19.5%でしたが、2000年には50%を超え、2010年には61.1%まで上昇しています。(図B)

    (農林水産省「農林業センサス」より)
  3. 冷凍野菜の輸入量は、野菜の作況の影響などを受けますが、長期的には増加しています。2005年786,507tだった輸入量は、2012年には952,041tと121.0%としています。
    輸入国別では、2009年を除き中国が1位となっています。また中国、アメリカの2カ国で2012年冷凍野菜輸入量全体の約8割を占めています。(図C)

    (財務省「貿易統計」)
  4. 2012年の輸入食品の届出は、2,181,495件で、検査件数223,380(検査率10.24%)、違反件数1,053(違反率0.47%)となっています。
    輸入国別の違反率は、上位5カ国の中で、アメリカが0.81%と最も高く、タイの0.71%、中国の0.47%となっています。
    違反量では、アメリカが86,830tと最も多く、次いで中国の1,549tです。
    E生産・製造国別の届出・検査・違反状況
    合計 中国 アメリカ フランス タイ 韓国
    輸入件数 2,181,495 650,431 234,245 210,978 155,770 146,982
    検査件数 223,380 98,424 23,572 9,299 11,819 8,213
    違反件数 1,053 221 190 19 84 37
    検査率 10.24% 15.13% 10.06% 4.41% 7.59% 5.59%
    違反率 0.47% 0.22% 0.81% 0.20% 0.71% 0.45%
    輸入量 t 32,155,854 4,070,058 10,947,577 437,854 1,487,592 829,995
    検査量 t 6,005,747 919,501 3,912,024 15,129 195,669 25,744
    違反量 t 94,477 1,549 86,830 4 801 26
    (厚生労働省「輸入食品監視統計」)
    *検査率=検査件数/輸入件数
    *違反率=違反件数/検査件数

基本的な立場

  1. 食糧の安定的確保・安定的供給をすすめるために、可能な限り国内原料・国内生産品を確保することに努めますが、日本の農林水畜産物の状況や輸入相手国での生産をめぐる状況を考えて進めることが望ましいと言う考え方を基本とします。
  2. 輸入食品の取扱いにあたって、日本生協連をはじめ取引先に対し、食品防御の視点で、生産から食卓までの予防、リスクに即した検査・監視、事態が起きた際の迅速な対応という3つの点からの体制強化を要請し、組合員の生活向上、生活防衛を目的に国内では調達困難な原料、食品、価格において国内のそれと比べ経済性が追求でき、総じて組合員の利益となるものを取扱いの中心とします。
  3. 輸入食品を取り扱う際の安全性確保に関して、生産国の防疫状況や工場の衛生管理、製品の検査状況などを確認するとともに、関係官庁からの情報や日本生協連などと協力して食品を巡る様々な問題の情報収集、過去の検査状況、現地での雇用環境などの確認を行い取扱いの判断をします。
  4. 日本人の基礎的食糧を取り扱う際には、必要な組合員組織と基本機関へ提案し検討を加えることとします。また、現地工場での品質管理体制や検査体制、工場環境など丁寧な情報提供に努めます。

取扱いの条件

  1. 日本国内で生産されていない原料や、国内のそれと比べ経済性が追求できるものとします。
  2. 気候風土によって生産時期が日本国内と異なる原料とします。
  3. 将来的に日本国内における生産量の不足が懸念される食品は、先行的に取扱いを開始出来るものとします。
  4. 生産地及び加工工場に関して、日本生協連や取引先での現地確認が行われていることを基本とします。
  5. 取扱い予定原料及び製品に関して、公的機関での事前検査が実施され、日本国内での流通が可能であることを基本とします。

留意点

  1. 輸入食品の生産・加工時全てにおいて開発主体が立ち会うことは困難です。その為、事業連合をはじめ、日本生協連、取引先に対して定期的な産地、加工工場の訪問を依頼すると共に、訪問後の報告を求めることとします。
  2. 輸入食品取扱い開始後において、事業連合をはじめ、日本生協連、取引先に対して残留農薬検査、残留抗生物質検査、食品添加物検査、細菌検査など製品の特性に応じて定期的な検査を求めるとともに、その結果は必要に応じて報告を行うように要請します。
  3. ならコ−プにおいても、供給頻度、供給ボリューム・こだわり商品などに関してその製品特性を判断し、工場指導や細菌検査、残留農薬検査など、事業連合、日本生協連と連動して行うこととします。
  4. 海外での生産、製造、流通の状況に関して、組合員への情報提供を行うことを基本に、その方法についての研究を進めていきます。
  5. 取扱いが開始された後、不良品混入や検査結果に関する不適合が生じた場合、事業連合をはじめ、日本生協連、取引先に対して原因と対策を求めるとともに取扱いの停止もしくは中止することとします。
  6. 一般的に輸入されている食品において検査結果など不適合が生じ、ならコ−プでも同種の食品を取扱っている場合には、事業連合をはじめ、日本生協連、取引先に対して検査結果の提出を求めるもしくは検査を要請し、その結果に基づき供給の判断を行うこととします。
  7. 国や地方自治体に対して、検疫・検査体制および監視体制の強化ならびに食料自給率向上のための施策見直しを求めることとします。
以上



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