2016年3月11日で東日本大震災から5年となります。一日も早い復興を願いながら、私たちは今、何をすべきかを再認識することが必要です。それは災害に備えること。
2月10日(水)奈良県橿原文化会館会議室で、岩手県陸前高田市で被災し、現在語り部をされている釘子明氏を講師に「東日本大震災に学び、現状を知る」学習会をおこない、53人が参加しました。
 
 母親と一緒に避難された釘子氏は、同市最大の避難所・陸前高田市立第一中学校で、震災発生直後から避難者約1,000人の共同生活の陣頭指揮を執られました。
“一人はみんなのために、みんなは一人のために”を合言葉に、何とか生きていきたいと、力をあわせて危機を乗り切ったその体験を話されました。そして、私たちに今、何をすべきかを強く語られました。

 

備える・災害学習会「陸前高田被災地語り部による~東日本大震災に学び、現状を知る~」
備える・災害学習会「陸前高田被災地語り部による~東日本大震災に学び、現状を知る~」

 あなたは次の質問に『はい』と答えられますか?
①   あなたは避難所に行ったことがありますか?
②   その避難所が安全であるかを確認していますか?
③   その避難所にはどのような備蓄があるか確認していますか?

「『はい』と答えられる人はごく少数です。それは自分は災害に遭わないと思っているからです。これは大きな間違いです。まずは、自分が避難する所を見直してください。家族で集まる場所を決めてください。自分の愛する人の命を助けること、それが大震災で亡くなられた方への一番の供養になります」という釘子氏の言葉を、参加者は胸に刻みました。
 
 続いて、陸前高田市の現状を次のように話されました。
「陸前高田市は、街全体をかさ上げするため大量の土を運び込み、一部では住宅の建設が始まっていますが、かさ上げが終わるのは平成30年、家を建て終わるのはその2年後と言われています。また人口が激減し、震災まで商業地域であった市内中心部で今後、本当に商売が成り立つのかと懸念されています。
震災復興公営住宅も建設されていますが、家賃やコミュニティづくりの問題を抱えています。
そんな中、岩手生協がお茶会を開き、全国の生協からお菓子が届けられています。
このように継続した活動が、“私たちは忘れられていない”と思える大事なことです。
生協の移動店舗は、現在2台走っていますが、大変助かっています」

備える・災害学習会「陸前高田被災地語り部による~東日本大震災に学び、現状を知る~」
備える・災害学習会「陸前高田被災地語り部による~東日本大震災に学び、現状を知る~」
備える・災害学習会「陸前高田被災地語り部による~東日本大震災に学び、現状を知る~」
備える・災害学習会「陸前高田被災地語り部による~東日本大震災に学び、現状を知る~」
備える・災害学習会「陸前高田被災地語り部による~東日本大震災に学び、現状を知る~」
備える・災害学習会「陸前高田被災地語り部による~東日本大震災に学び、現状を知る~」

 ならコープは、2016年度もパルコープ・よどがわ市民生協とともに、被災地を知り、応援するためのボランティアバスを年間7回運行します。被災地に寄り添い、「風化させない」活動に、ぜひご参加ください。
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